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革財布の汚れが目立って来た。
過去に修復した革財布ですが、使っているうちに徐々に内側の汚れが目立ってきました。
長い期間使っていれば濡れたり手垢や硬貨の汚れが付いてきます。
これも味と言えばたしかにそうかもしれませんが、汚れではなく革のみのエイジングを楽しみたいのが本音です。
汚れを落としたい。
そんな時にふと思いついたのが以前実践した革靴の丸洗いでした。
「同じ革製品ですし、問題なく丸洗いできるだろう!」という安易な考えのもと、サドルソープで丸洗いに挑戦してみました。
状態確認
私の財布はこちらです。
COCOMEISTER - ブライドル アルフレートウォレット
表側はブライドルレーザー、内側はヌメ革です。
表側は比較的綺麗ですが、先述のとおり内側が汚くなってきました。
こちらが問題の内側です。
とてもきたない。
黒い部分は手垢やコインの汚れでしょうか。
ここらへんは綺麗になる事を期待してます。
革の端は雨に濡れた部分なのか、中央との色差がかなりあります。
そしてもう一つ問題が、この端っこ。
縫い目がほつれています。
ミシンの縫い目って上糸と下糸で縫いあげるので、一回ほつれ始めるとどんどん広がって行っちゃうんですよね。
今回はオマケ程度にここも縫っていきたい所存です。
まずはほつれを補修する
ミシン縫いの特徴は上糸と下糸に分かれている事です。
そのため上下で色を変える事もできます。
実際に私の財布では上糸が藍色、下糸が白色の2種類が使われています。
デザイン性や生産性から選択されがちなミシン縫いですが、とにかく強度が弱い。上下どちらかの糸がほつれるとどちらもほつれていきます。
強度を持たせるために手縫いで補強したいのですが、1種類の色しか使えません。
迷った末、他人から見られる事が多いのは外側だろうと思い藍色を選択しました。
本来革製品を縫い上げる際には蜜蠟を麻糸に塗布して強度を高めるのですが、そんな物は自宅にありません(笑)
今度また補修するかもしれないので蜜蠟塗布しなくて良いのです(合理化)
玉止め部分を1カ所のみにしたかったので針2本で縫っていきます。
ミシン縫いで開いた穴が残っていたので難なく縫えました。
最後は2本の糸を結んで玉止めします。
うーむ...。
やはり白糸の中で藍色は悪目立ちしますね。
気にしていた外側からの見た目は完璧です。
目を凝らさないと補修したのが分からないくらいではないでしょうか。
縫い終えた後にふと気が付いたのですが、藍色ではなく白糸で手縫いしサフィール補修クリームで外側のみ着色するのも手だったかもしれません。
擦ると色が落ちてしまいそうですが...。
サドルソープで丸洗い
お待たせしました、ようやく本編です。
サドルソープを使用して丸洗いをしていきます。
サドルソープはスムースレザーの製品を全体的に洗う際に推奨されている石鹸です。
M.モゥブレィ・サドルソープ | 靴・皮革製品のお手入れ、靴磨き、Q&A、お悩み解決 ポータルサイト
今回はメラミンスポンジも併用します。
革財布全体を水浸しにします。
メラミンスポンジでサドルソープを泡立て、財布を洗っていきます。
泡だらけの革製品。
何度見てもシュールすぎて笑ってしまう光景です(笑)
黒ずんでいた部分やシミになっていた部分を丹念にスポンジで擦ります。
もちろん外側も洗いました。
洗った後は乾燥です。
立てかけていると型崩れを起こす可能性があるので、寝かせたまま開いたり、時々カッティングボードで挟んだりしながら乾燥させました。
およそ半日程度で乾燥が終了しました。
乾燥後は革はカラカラでガサガサですので栄養分を補給していきます。
まずは水分の多い「M.MOWBRAY デリケートクリーム」をたっぷり塗布します。
この瞬間が大変心地良い!
みるみる革がふっくらしてきます。
次に油分の多い「Collonil 1909 シュプリームクリーム」で栄養分と光沢を足したら終了です。
いかがでしょうか!
消えないシミはあれど最初の写真と比較するとそれなりに綺麗になったんじゃないでしょうか。
↓ビフォー
補強した部分も問題なさそうです。やっぱり白糸にすれば良かったかなぁ。
汚れが落ちるのはもちろん、若干革のトーンが明るくなったような気がします。
傷だらけですが、なんとなくロゴも晴れやかに見えます(笑)
外側も同様のケアを施しました。
綺麗になってよかった!
あとがき
今回サドルソープとメラミンスポンジを用いて革財布の丸洗いをしてみました。
革用の石鹸だけあって、想像以上に綺麗になるものですね。
これでまた暫く使い続ける事が出来そうです。
革財布を水浸しにするのに抵抗がある方は、メラミンスポンジで擦るだけでも汚れが落とせるようなので試してみてはいかがでしょうか。
もちろんその後は革がガサガサになるので栄養分の補給を行なってください。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。