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ヨーグルトメーカーで温泉卵を作りたい
先日購入したヨーグルトメーカー。
毎週とてつもない量のヨーグルトを量産して食べています。
以前の記事でも書きましたがヨーグルトメーカーとは名ばかりの物で、温度を一定に保つ、いわば温度調節機(保温機)というのがこの機械の実態です。
そんな機能をみて、ふと「もしかして温泉卵が作れるのではないか?」なんて思いつきました。
気になったら試してみたいのが私の性分。
今回はそんな温泉卵作りをヨーグルトメーカーで試みた結果を記したいと思います。
温泉卵と半熟卵
温泉卵(おんせんたまご)は、卵黄部分は半熟、卵白部分は半凝固状態に茹でた鶏卵。一部では温度卵(おんどたまご)とも呼ばれる。また、温泉の湯や蒸気を利用して、鶏卵を茹でたり蒸したりしたゆで卵は、その状態(半熟であるか否か)にかかわらず温泉卵と呼ばれる。生卵は握ると割れないが温泉卵は割れる。
Wikipedia先生によると、温泉卵は「卵黄部分は半熟、卵白部分は半凝固状態に茹でた鶏卵」との事です。
これらは卵白の凝固温度80度に対して、卵黄の凝固温度が70度と低い事を利用して作られています。
65度程度の低い温度で長時間加熱し続ける事で、白身の固まっていない黄身だけが固まった温泉卵になるわけですね。
つまりは卵黄より卵白が柔らかい状態のものを温泉卵、対して卵黄を柔らかく保ったまま卵白を固めたものを半熟卵と呼ぶとの事。
あれ...?
じゃあ私の想像する温泉卵は半熟卵なのか...?
Wikipedia「温泉卵」ページの写真なんて、ほとんど生卵ですよね(笑)
調べてみましたが、温泉卵と半熟卵の固さの定義としては曖昧との事ですので、本ページでは「白身も黄身もトローっとしているもの」を温泉卵と呼ぶ事とします。
一般的な温泉卵を想像していただけましたら幸いです。
作り方を調べる
ヨーグルトメーカーを使って温泉卵を作るのは私だけかと思いきや結構いらっしゃるものですね(笑)
探せばたくさんの方法が出てきました。
上記mitokさんの「温玉をたくさん作るならヨーグルトメーカーが優秀」の記事では、60度のお湯を注ぎ4時間でベストな温泉卵が出来ていました。
なるほどなるほど。
それならば熱湯を使えばさらに時間短縮出来そうですね。
先述のとおり卵白の凝固温度が80度なので、熱湯を使ったら半熟卵に該当するかもしれませんが今回はこの方法にて作っていきます。
実際に作ってみた
今回は60分、120分、180分の3種に分けて作ってみます。
まずはお湯を沸かします。
自室に電気ケトルがあったのでこちらを利用しました。
お湯を沸かしている間にヨーグルトメーカーに付属していた800ml容器に卵をセットします。
冷蔵庫から取り出してすぐのMS卵5個です。
余談ですが卵のサイズってこんな感じで分かれているんですね。
LL 赤色 70g以上 76g未満
L 橙色 64g以上 70g未満
M 緑色 58g以上 64g未満
MS 青色 52g以上 58g未満
S 紫色 46g以上 52g未満
SS 茶色 40g以上 46g未満
何気ない疑問すらも学べるのでブログ書いているだけで雑学が増えそうな気がします(笑)
お湯が沸いたら卵が浸るくらいまで入れます。
一応保温を考慮してフタも付けました。
この熱湯を流し込んだ時点で凝固温度が超えているので白身が固まり始めます。
容器が熱湯で溶けたり変形したりするのではないかと心配していましが、問題ないみたいです。多分...。
あとはヨーグルトメーカーを65℃に設定しスタート。
60分ごとに1個ずつ救出していくので時間は適当にセットしました。
60分経過。
さっそく1つめの卵を救出しました。
外観だけではまったく変化が分かりませんね!
という事で、卵を回して固まっているか否かを判別していきます。
生卵では黄身の位置が定まっていないために上手に回せませんが、固まってくると綺麗に回るというアレです。
60分卵はこんな感じに。
あれ!?
すでに上手に回っている...!
GIF画像なのでぎこちない動きですが実際に見ると綺麗に回っています。
120分経過。また1つ卵を救出しました。
こちらの卵も一応回してみました。
もはや検査する必要もありませんね(笑)
60分の時同様に綺麗に回ります。
最後の180分卵も救出。
一応この卵も回してみました。
すごいきれい(適当)
そんなこんなで対照実験的に時間だけを変えた卵が出来上がりました。
堂々たる佇まい。
冷蔵庫で冷やしてから頂きます。
凝固具合を確認する
ここからは出来上がった卵を割って確認していきます。
冷蔵庫から麺つゆも引っ張り出してきました。
準備万端です。
まずは60分卵から割っていきましょう。
どうでしょうか。
めちゃくちゃ綺麗に出来上がっている!
黄身を割ってみました。
うおー美味しそう!
スタンディングオベーションしたくなる出来栄えです。
白身のとろけ具合と黄身の固まり具合が絶妙。
0を生卵~10を固茹で卵というVAS(Visual Analogue Scale)で評価するなら、黄身の固まり具合は4あたりかなと思います。
本来は痛みの評価に使われる事が多いVASですが、こうして図説があるとわかりやすいですよね(笑)
お次は120分卵。
こちらも綺麗に出来上がっていました。
120分になっても白身の固さはあまり変わらないんですね。
黄身を割ってみるとこのような感じに。
黄身のほうは60分と比較して少しずつ固くなってるようです。
VASで評価するならちょうど真ん中あたりではないでしょうか。
先述の通り白身には変化が感じられませんが、黄身は確実に60分よりは固まっています。
最後に180分卵。
割ってみました。
黄身がこんもりしている!
やはり白身には変化がありませんが、黄身には影響があるようです。
凝固温度が違うから当たり前か。
箸で割ると黄身は形を保持していますが、口の中に運べばとろけるくらいの固さです。
少し固めな温泉卵が好きな方にはたまらないかもしれません。
VASでは6~7くらいでしょうか。
どの時間も美味しく頂けましたが、まさか60分ですでに固まっているとは思わなかった...!
卵黄のとろける温泉卵を作りたい
さきほどの調理工程で60分おきに作った温泉卵は見事に固まっていましたが、「黄身がもっとトロリとしたものじゃないと認めない」という温泉卵マイスターの方には納得行かないはず。
ここからは延長戦として、どのくらい時間を短くすれば黄身がとろける温泉卵になるのかを検証していきます。
条件はまったく同じで保温時間を短くし、30分と15分で作ってみました。
まずは30分卵。
割ってみるとこんなかんじに。
60分卵よりも黄身に火が通っていない為か横に広がっています。
箸で崩してみました。
黄身の外側はやや固まっていますが、中身はとろけています!
VASでは3くらいでしょうか。
さらにダメ押しの15分卵!
十分な加熱という点では少々不安の残る温泉卵です(笑)
一度は熱湯にくぐっているのでサルモネラは死滅していると願いたい。
割ってみました。
やはりどれだけ時間が変わっても白身の固さは一緒なんですね。
黄身を崩すとこんなかんじに。
めちゃくちゃ美味しそう!
ほとんど反発力を感じないまま箸が通り黄身がとろけました。
VASだと2くらいではないでしょうか。
ここまでとろけてくれれば温泉卵マイスターもご満足いただけるはず...!
まとめ
冷蔵庫から取り出してすぐの卵を熱湯に浸し、ヨーグルトメーカー65度で保温した場合の凝固具合は以下のとおりになりました。
個人的には程よく固まっていた60分卵が一番好きでした。
保温時間が変わっても白身の固さにはほぼ変化はなく、黄身だけが凝固していったのが印象深いです。
冷蔵庫から出してすぐの卵を使ったので、熱湯が急激に冷めて白身の固まりにくい温度まで下がったからでしょうか。
温度計でも突っ込んで作ってみたら面白そうですね...!
あとがき
今回はヨーグルトメーカーを用いて温泉卵を作ってみました。
この方法であれば短時間かつ放置しているだけで作れるので、省スペースかつ簡便かつ大量生産の効く良い方法かと思います。
卵は栄養豊富ですし、手の抜いた昼食や夜食のプラス1品として作ってみてはいかがでしょうか。
今や卵は1日に何個食べても良いなんて言われていますが、1つ100kcal前後とカロリーが非常に高いので食べすぎにはご注意ください。
最後までお読み頂きましてありがとうございました。
【2019.02.10 追記】
ヨーグルトメーカーで鶏ハムを作ってみました。
宜しければご覧ください。