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電池切れの時計が多数出てきた。
年末の大掃除のすえ、針の動かなくなった時計が多数でてきました。
どれも過去に使用していた思い入れのある時計です。
ぶつけて壊れた記憶はないので、ほとんどが電池切れで動かないだけかと思います。
中にはおよそ13年程前に買ってもらった時計も。
懐かしすぎる...!
もちろん時計は動いていません。
一端の社会人になった今では、いわゆるちょっと良い時計は持っていますが、スポーツや汚い作業時でも使える手頃な時計を探していたのでちょうど良かったです。
これら時計が何個動くのかは分かりませんが、電池を自分で交換して改めて使ってみようと思います。
(メーカーによってはセルフ交換は保証対象外になる場合がございます。時計の電池交換・修理は自己責任でお願いいたします。)
電池交換には専用器具が必要
いざ電池交換と言っても、時計の裏蓋にはさまざまな構造があります。
代表的なものをいくつか確認していきます。
1.SWATCH式の電池蓋
主にSWATCHに採用されている電池蓋です。
これには専用工具必要なく、コインで簡単に開けられます。
2.ねじ込み式(スクリューバック)
等間隔にある溝に専用のオープナーの爪をあてがい、反時計回りに捻らなければ開きません。
気密性が高いので、防水・防湿を謳うほとんどの時計で採用されているのではないでしょうか。
当然開くにはある程度力が必要ですので専用工具が必須です。
3.はめ込み式(スナップバック)
TIMEX等に採用されていますが、一部にほんの少しだけある隙間に切っ先をあてがい、こじ開けるような構造です。
気密性はスクリューバックよりも低いですが、それでもキツく閉まっているため、専用工具による開閉が望ましい機構です。
そのほかワンピース構造の裏蓋がないものやネジ止め式などがありますが、おおまかには上記のような構造が採用されています。
先述の通りSWATCH以外の裏蓋はどれも簡単には開けられないようになっているため、専用の時計工具が必須です。
今回大掃除によって出てきた時計はSWATCH式の物とスクリューバック式の物でしたが、今後もさまざまな時計を直せれば良いなと思い工具のセットで購入してみました。
腕時計のほぼ全てを開けられる時計工具
今回購入したのはこちら。
特にノーブランドの時計工具です。
なんとお値段約1,400円と大変安価。
精度の良い時計工具は桁がひとつ違うものばかりなのでこれで十分でしょう...!
まずは今回の目的のスクリューバック式に対応した3点オープナー。
そしてスナップバック式に対応したオープナー。
これら2つがあればほとんどの裏蓋は開ける事が可能です。
その他、時計を固定する台や金属ベルトやバックルを調整できる器具、ピンセット・ドライバー等も付いてきます。
千円ちょっとにしては満足すぎる内容物の数々です。
専用ポーチも付属。
なくしてしまいそうなバネ棒等の細かい付属品も仕舞えて安心です。
手入れと電池交換をしていく
工具もそろった事ですし、早速手入れととも速電池交換していきましょう。
1.SWATCH式の電池蓋
まずはこちらの時計から。
比較的簡単に電池交換可能なSWATCHです。
まずは劣化したベルトを外していきます。
丸ピンでベルトを固定しているタイプなので、反対側から鋭利なもので押し出せば簡単に外せます。
時計の裏側。
こちらは先述の通り専用工具は必要ありません。
溝に硬化をあてがい、反時計回りに回せば簡単に開きます。
防水・防湿対策にパッキンが被っているので、これも剥がします。
ボタン電池とご対面です。
RENATA 390という見慣れないボタン電池が採用されています。
検索してみれば、互換性があるのはLR1130、SR1130W、SR1130SWとの事。
近くの電気屋さんで早速購入してきました。
LR1130というボタン電池を選択してみました。
比較的安価でお店によっては百均でも手に入るそうです。
先の手順で電池を入れていきます。
ボタン電池を入れ、パッキンを被せ、蓋をコインで戻す。
動いた!
感動の瞬間です。
時計の値段や価値がどうこうではなく、家族から買ってもらった当時の少年時代の思い出がフラッシュバックします。
なんとも言えない感情です。
こういう時をエモいといえば良いのでしょうか(笑)
閑話休題。
せっかく時計が動き始めたので、綺麗にしていきましょう。
まずはこのガラス風防。
表面に大きな擦り傷が出来ているのでコンパウンドで磨いていきます。
車用のコンパウンドですがこれで十分綺麗になります。
細目ののちに超鏡面の液体コンパウンドの順で使用していきます。
少量をグロスにとり丹念に磨くとこのようなかんじに。
写真でもほとんど傷が分からない状態になりました。
まっすぐ文字盤を見れば傷はまったく気になりません。
あとは劣化したベルトの変わりに新品のベルトに交換します。
これにて完成です。
私にとって思い入れの強い時計が復活しました。感無量です。
チープカシオなどが流行っている今では、むしろこのチープさは違和感なく馴染めるのではないでしょうか。
2.スクリューバックの裏蓋
お次はこちらの時計です。
スクリューバック式の裏蓋になっています。
ようやくここで購入した時計工具が活躍します。
まずは溝幅に合わせられるようにオープナーの間隔調整します。
本来はコマをしっかり嵌めるべきなんですが、溝幅が広すぎたのでこの緩い状態で使用します。
安定しないのであまりオススメはしません(笑)
あとは溝にあてがい、反時計回りで開きます。
吸盤を張り付けて回したりと工具代用できないものかと試行錯誤した際には開かなかったのに簡単に開けられました。
やっぱり専用工具必須ですね。
ボタン電池はSR927Wという物が採用されていました。
このボタン電池がなかなかに厄介で、電気屋さんでもほとんど取り扱いがありません。
似たようなものでSR927SWは取り扱いが確認されるんですけどね...。
調べてみると、これらの違いは内容物の電解液との事です。
SR927Wには水酸化カリウム
SR927SWには水酸化ナトリウム
が入っています。
Wのデジタル時計にSWを使用した場合はバックライトが弱かったり誤作動したりと問題があるそうですが、アナログ時計なので問題ないようです。
Panasonic公式の記事が後押ししてくれました。
※使用例
[W]指定の機器に[SW]を使用
アナログ時計の場合 ⇒ 「ご使用いただけます」
デジタル時計の場合 ⇒ アラームやバックライトなどが動作すると
供給電力不足で、指針の停止や不安定、デジタル機能の誤動作などの
不具合が生じる場合がありますので指定電池をご使用ください。[SW]指定の機器に[W]を使用
アナログ時計の場合 ⇒ 「ご使用いただけます」が短寿命の場合があります。
デジタル時計の場合 ⇒ 「ご使用いただけます」
なるほどなるほど...!
やはり問題なく使用できそうです。
という事でSR927SWを購入してきました。
こちらも先の手順で交換していきます。
早速電池をセットし裏蓋を戻す。
問題なく動き出しました!
SWのボタン電池でも大丈夫だったようです。
こちらの時計もせっかく動きだしたので、綺麗にしていきましょう。
ベゼル周辺のスリ傷が目立っているので、スクラッチメンダーで磨いていきます。
さきほどのコンパウンドの時同様に少量をクロスにとって磨いていきます。
目を凝らせば傷の残りはあるものの非常に綺麗になりました。
あとは使っていなかったベルトを取り付けて完成です。
ラフなカジュアル時計として活躍してくれることでしょう!
余談ですが、写真中央の時計もスクリューバック式だったのですが、電池交換しても動きませんでした。
唯一風防内に曇りもあったので、湿気で壊れてしまったようです。
それでも2本直せたので大満足の結果でしょう。
あとがき
今回は懐かしい時計の数々を電池交換とともに手入れしていきました。
時計の値段や価値がどうこうではなく、思い入れの強い個体が再び動き出した事が大変嬉しく思います。
何気ない日常でまた使用していきたいと思います。
もともと時計が好きな家系なので、また動かない時計を目にするタイミングは多そうです。
メーカーによっては保証対象外になってしまう場合がありますが、ゆくゆくはちょっと良い時計の電池交換も自らの手でやってみたいものです...!
今回記事で使用した道具や関連商品等は下にまとめておりますので、参考になりましたら幸いです。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。