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チロリアンシューズの雄、パラブーツのミカエルを紹介していきたい

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チロリアンシューズの雄、パラブーツのミカエルを紹介していきたい

 

革靴を複数所有していると、時には変わり種の靴が欲しくなりませんか。

いやなるでしょう(横暴)

 

そんな時におススメしたい革靴の1つが「チロリアンシューズ」です。

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参考:Rakuten

手入れもしやすくデザインも可愛い。
靴紐の穴も少ないため脱ぎ履きもしやすく、決まりすぎずラフすぎないドレス感...などなど魅力のつまった一足です。

今回はそんなチロリアンシューズ、中でも私の愛してやまないParaboot(パラブーツ)のMICHAEL(ミカエル)をご紹介していきます。

 

 

 

 

 

 

 

ソースはチロル地方から

「チロリアンシューズ」という物をご存知でしょうか。

その名の通り、アルプスのチロル地方の山岳民族が愛用していたチロリアンブーツが元となっています。

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参考:Google Earth

 

主にU字型の甲革と側面の革が「モカシン縫い」で縫合されているほか、アッパー・ウエルトとインナーを同時に縫いつける「ノルウィージャン製法」が採用されているものがチロリアンシューズの定義だそうです。

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これによって堅牢なつくりとともに防水・防寒効果が期待できるのです。

斜度のある土地や寒い気候に見事に合致した靴と言えますね。

 

 

 

パラブーツのミカエル

様々なブランドが古き良きチロリアンシューズを製作していますが、個人的に推していきたいのがパラブーツ製です。

 

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参考:Rakuten

モデル名はMICHAEL(ミカエル)

『ユダの手紙』や『ヨハネの黙示録』の某天使ではなく、パラブーツの会長「ミッシェル」をラテン語読みにしたところがモデル名の由来です。

パラブーツの本拠地フランスでは、Uチップの革靴シャンボードを抜いて人気ナンバーワンのモデルです。

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ちなみに日本では、よりフォーマル向けなCHAMBORD(シャンボード)が人気ナンバーワンです。

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みんなちがって、みんないい(金子みすゞ感)

 

 

 

水分に強く柔らかいリスレザー

アッパーにはLisse Leather(リスレザー)というロウやオイルを染み込ませたカーフが使用されています。

ロウを染み込ませた革ならあるあるですが、時に表面に浮き出てくる事もあります。

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参考:OTOKOMAE

これはカビではなく「ブルーム」と呼ばれる現象です。
革が健康な証で、購入して間もなくしか見る事のできない表情です。

ブラシで払ったり拭き取る事でまた綺麗になります。

 

このリスレザーは水分にも強く僅かな水分程度であれば弾く事ができます。
しかも僅かな傷であればブラッシングや靴クリームで消す事も容易。

ガツガツと履きたい方にもおすすめできる靴です。

 

 

 

耐久性の高い自社生産ラバーソール

パラブーツはラバーソールが自社生産可能な唯一のブランドです。

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こちらはMARCHEⅡ(マルシェⅡ)と呼ばれるソール。
ミカエルではこのソールが採用されていますが、製作時期によって溝の形やロゴが異なります。

門外不出の自社ソールにはさまざまなギミックが隠されています。

 

まずは構造面。

ラバーソール内部はハチの巣や段ボールにも採用されている「ハニカム構造」となっており、緩衝作用・軽量が図られています。

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重たくなりがちなラバーソールを想像しながら履くと、「あれ?」と驚くくらい軽いのです。

 

そして忘れてはならないのが耐久性。
結論から申し上げますと、とんでもなく耐久性が高いです!

週2~3程度の使用で1年半ほど履いてもこんな調子。

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ほとんど減っているのか分からない程度です。
ガシガシゴリゴリ石畳を歩いているはずなのにどうなっているのだ...。

この調子でいけば向こう先5年くらいは大丈夫なのではなんて思っています。つよい。

 

それでもソールは消耗品なのでいずれ限界がきます。

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そんな時は、パラブーツ直営店に連絡し修理依頼する事で日本全国どこからでもオールソールが可能です。
価格もおよそ1.8万円程度なので、お近くの靴屋さんでオールソールを依頼する価格と大差ありません。

自社生産可能なソールだからこそコストを抑えられるのかもしれません。

 

 

 

ブラッシングが簡単

これはどのチロリアンシューズでもいえる事ですが手入れがとても簡単です。

履き終えた後にはシューツリーを入れてブラッシングしますよね。

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靴紐を外して、外羽根を開けたここ!

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この部分見て!

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ここがまたチロリアンシューズの推せるポイントです。

甲革と側面の革が合わさって縫合されているためブラッシングしやすいのです。

他の靴では「ガセットタン」なんて呼ばれ方をしていますが、チロリアンシューズの場合はそうは言わないのでしょうか。

履いている時には小石や砂利が入りにくい。
手入れの時には靴の閂(かんぬき)が切れる心配もなければタンの根元にホコリが溜まるわけでもない。

素晴らしい機能です。

 

ブラッシングを終えると光沢が再び戻ってきます。

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あとは靴紐を再度つければ使用後の簡単な手入れは終了です。

 

革がゴワついてきたり、キズや汚れが目立ってきたら靴クリームまで入れていきます。

まずはステインリムーバーで汚れ落とし。

布に少量塗布してアッパーを拭き取ります。

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次にクリーム類を塗布していきますが、パラブーツのタグを汚したくない方はマスキングテープを張るのもおススメです。

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パラブーツ購入当初はそのままクリーム塗布していましたが、やはりタグは綺麗なまま残したいですからね。

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マスキングし終わりました。

 

まずはデリケートクリームを塗布します。

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ブラシに米粒大ほど取り全体に伸ばします。
適度に置いたら布で乾拭きすれば終了です。

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お次は靴クリームの塗布。

靴色から1トーン明るい色を選択するのが一般的ですが、好みの色で磨いてエイジングを楽しむのも魅力かなと思います。
私は靴色よりも少々濃いブラウンを使用しました。

こちらもブラシに米粒大ほど取り全体に伸ばします。
少々時間をおいてから布で余分なクリームを拭き取ります。

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これで終了しても良いですが、好みに応じてワックスを使用します。

芯材の入っているつま先と踵部分に塗布しました。

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ラバーソールの側面の色褪せが気になる場合にはコバインキを塗布すれば完了です。

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大変美しくなりました!

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こうして靴磨きを行っていると、ブラシ掛けする機会は非常に多いです。

ブラッシングしやすいだけでも手入れする気になるというものではないでしょうか。

 

 

 

繊細に使うか豪快に使うか

私は先ほどの通り乳化性クリームで手入れしています。

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ローテーションしながら使用しているうえ、ちょこちょこ手入れしているので小奇麗なままエイジングを楽しんでいます。
いわばドレッシー路線で使用していく考えです。

しかし中には、乳化性クリームではなくミンクオイルなどで更にオイリーにしてタフに使用する方も多々見かけます。

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オイルが充填される事でより傷付きやすくはなりますが、小傷程度ならブラッシングで消せます。
傷やスレすらも味にしたい方は良いかもしれません。

繊細に使ってドレス顔にしていくか、豪快に使ってラフ&タフにしていくかはユーザー次第です。

 

 

 

 

セミフォーマル向けの変わり種としていかがだろうか

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複数の写真を見ていただいた方ならお分かりいただけるかもしれませんが、魅力は溢れれどガチガチのフォーマルには向かないデザインです。

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なのでカジュアルはもちろん、セミフォーマルや小洒落たお店に行く”セカンドカー”的な靴として適切なのかなと思います。

脱ぎ履きしやすい2アイレットですので座席に通されても苦ではないでしょう。

 

”セミフォーマル向けの変わり種”をお考えの方は、この機会にぜひMICHAEL(ミカエル)を検討してみてはいかがでしょうか。

きっと所有欲を満たしてくれる事に間違いありません。

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最後までお読みいただきましてありがとうございました。