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PICK UP!

【レンズ沼へようこそ】撒き餌レンズというものをご存知でしょうか

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 一眼カメラ最大の魅力はなんだろうか。

 

私個人的には、とろけるようなボケ具合こそ一眼唯一の魅力だと思っています。

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ピントの合った部分はカリカリに写り、被写体の奥はフワーッとろけるようにボケる。

安価なデジカメやスマホカメラではなかなかに表せない、一眼カメラならではの魅力です。

 

こういった写真を撮るには絞り値(F値)の小さい明るいレンズが必要になりますが、結構お高い。

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いや、超高い(断言)

安い順に並べたはずなのにあっという間に4、5万の世界になってきます。

 

 

そんな中で一際お安く評価の高いレンズがあるのをご存知でしょうか。

その名も撒き餌レンズ

撒き餌...!
なんだか仰々しい俗称がついておりますが、その実態を探るべく暫く使ってみた感想を綴っていきます。

後半には作例もありますので、吟味の参考になりましたら幸いです。

 

 

 

 

 

 

 

撒き餌レンズの定義

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撒き餌レンズは俗称であるので具体的な定義はありません。

一般的には「メーカー問わず、一眼レフカメラに装着可能な安くて写りの良いカメラ」を差して使われる事が多いように感じますが、これまた曖昧な説明です。笑

安いってなんだ...写りの良いってなんだ...。

 

Eコマースサイトやレビューサイト、他のブログを参照すると、「50mm F1.8で3万円をきる価格帯のカメラである」と言う方も多々お見掛けします。

これら意見を加味して、当ページにおいては以下3項目に該当するレンズを「撒き餌レンズ」と呼ぶ事とします。

  • 焦点距離50mm程度の標準単焦点レンズ
  • 絞り値F1.8
  • 新品相場が3万円以下

あいまいな情報がスッキリしました。

 

 

 

レンズ沼へようこそ

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撒き餌レンズたるゆえんは、レンズ沼に引きずり込む最初の一歩となる事です。

ほとんどの方は、初めてカメラを手にする時には標準ズームのレンズキットを購入されるそうです。
この撒き餌レンズは、「他のレンズ試してみたいな〜」という一歩進んだ客層を見事に射止めたラインナップのように感じます。

「レンズだけでここまで変わるのか!」と感動を与え、「じゃあこのn倍の金額出したらどんな写りになるのか...!?」と更に購買意欲を煽ってくるニクいヤツです。

 

 

 

各メーカーの撒き餌ラインナップ

先述の通り各メーカーにて50mm F1.8の単焦点レンズがラインナップされています。

Canon向け「EF50mm F1.8 STM」

 

SONY向け「SEL50F18F (FE 50mm F1.8)」」

 

Nikon向け「AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G」

メーカーによって対応マウントはもちろん、レンズ構成やサイズの違い、モーターの駆動方式が違うものではありますが、基本性能は50mm F1.8なのでほぼ一緒です。

これらの中でも王道の撒き餌レンズである、Canon向け「50mm F1.8」について具体的に見ていきます。

 

 

 

Canon EF50mm F1.8

一概にCanonの撒き餌レンズといっても、先ほどご紹介したSTM型とⅡ型の2種があります。

EF50mm F1.8 STM

レンズ構成:5郡6枚
絞り羽根枚数:7枚
最小絞り:22
最短撮影距離:0.35m
フィルター径:49mm
質量:約160g

 

EF50mm F1.8 II

レンズ構成:5郡6枚
絞り羽根枚数:5枚
最小絞り:22
最短撮影距離:0.45m
フィルター径:52mm
質量:約130g

 

 

簡単にご説明するなら、Ⅱのほうが旧型、STMのほうが新型です。

新型ではレンズ構成が変わって背景ボケがしやすくなったほか、STM(ステッピングモーター)式になったためAFが静かでスムーズになったようです。

 

ただ写りとしてはそこまで変化がないとの事なので私は更に安価な旧型を買いました。

中古相場では10,000円を軽く切る価格帯です。
安価な金額からは想像もつかない高画質かつボケ味が楽しめます。

 

 

 

50mmはスタンダードな画角

焦点距離50mmはスタンダードな標準レベルの画角です。

ptl.imagegateway.net

人の目とほぼ同じ程度の画角であり、物撮りから景色撮りまで無難にこなしてくれるオールラウンダーです。

標準画角ゆえつまらない写真になりがちだと一部カメラマンは言いますが、撮影者以外ではそこまで「これは50mm単焦点で撮った写真だ!」と分かるものではないので気にしなくても良いのではと個人的には思います。

 

 

 

ズーム機能のない単焦点

そしてこの撒き餌レンズはその名の通り「単焦点」です。

つまりはズーム機能がありません。

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あるのはピントリングだけ。

被写体が大きく写りすぎるなら自ら後ろへ引いて撮る、その逆もしかりという仕様になっています。

 

 

 

F1.8はとても明るいレンズ

F値は小さければ小さいほど明るく写すことができ、ピントの合う幅が細かくなりボケも強烈になっていきます。

明るい分ISOも低く設定しやすく、より繊細で美麗な写真が撮りやすくなります。

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一般的な標準ズームレンズでは、性能の良いと言われている大三元レンズでもF2.8程度です。

そんな中でこちらの撒き餌レンズはF1.8。

どれだけ明るいかはご理解いただけるかと思います。

 

 

 

小サイズ&軽量で持ち運びやすい

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カメラ機材の永遠の問題点であるサイズと重量についても心配ありません。

レンズフィルターやキャップも含めて全長68mm程度で、重量も150g程度とかなり軽量です。
カメラバッグでなくとも手軽に持ち運べるサイズなので、ちょっとした散歩や外出には重宝しそうです。

 

 

 

実際に撮ってみた

撒き餌レンズで実際に撮ってみました。

カメラはCanon - EOS 5Ds Rです。

 

(5Ds Rレビューはこちら↓)

www.satanokoe.com

 

モンスターエナジー

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ピントの合わせたモンスターの缶はカリカリ、奥の間接照明付近はフワフワです。

 

『かがみの孤城』

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圧倒的点数で金賞を獲得した、2018年本屋大賞作品です。
こういった室内での物撮りには重宝します。

 

ピザ「クアトロフォルマッジ」

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お店で自席から離れた料理を撮るにも便利ですね。
目の前の料理だとドアップになりすぎるかもしれません。

 

ギター「Mayones Regius7」

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塗装のザラつきまで繊細に写っています。

 

TAMRON  - 28-75mm F/2.8

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この写真は我ながら綺麗に撮れたと満足の一枚です。
ピントのあったレンズはカリカリ、奥はとろけるようなボケが楽しめます。

 

マカロン

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2枚目の写真は手から無理やりカメラを離すというシュールな恰好で撮っています。
単焦点レンズなのでズームアウトするには離すほかありません。

 

クロムエクセルの革靴

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新品に近しいクロムエクセル特有のテロンとした質感までバッチリです。

 

ギター「BlackWater DC-Ⅱ」

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真俯瞰から撮ってみました。
あえてF値高めで撮ってみましたが、全体的にピントが綺麗に合っています。
ただ、せっかくのF1.8を生かせないのは勿体ないような気もします。

 

夕焼け

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撮影した私からの感想ですが、景色を撮るときには望遠で一部を抜くか、広角でもっともっと広い範囲が撮りたくなりますね。

余談ですが、同日の空を超広角レンズで撮るとこんなに綺麗でした。

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(Sigma - dp0 Quattro)

 

靴磨き用のハンドラップ

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水の透明感や差し込む光、光の反射からあまり写したくないテーブルのキズまで繊細に写っています。

 

革靴のメンテナンス

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こちらの記事のサムネとほぼ同じです。

www.satanokoe.com

結局は引きでとった2枚目を採用しましたが、これまた味があって良いなと我ながら満足しています。

 

いくつか写真を撮って見ましたが、コストパフォーマンスという点では素晴らしいものです。
まさか1万円ちょっとのレンズで撮ったものとは思えないでしょう。

なお今回はカメラ本体もかなり良い物を使っていますが、エントリークラスのEOS Kiss X50で使用してみてもレンズ特性が顕著に出るように感じました。

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以下Kiss X50+撒き餌レンズで撮ったものです。

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どうでしょう、悪くはないでしょう!?

5Ds Rと比較してしまえばそりゃ見劣りしてしまいますが、十分すぎるくらいの解像度とボケ味が楽しめます。


やはりF1.8を活かすならしっかり背景をボケさせるような遠近差のある位置で撮るのが良さそうです。
あとは手振れ補正がないので、シャッタースピードは自らの制御できる範囲に収める必要があります。

さらには、ズーム機能もないので体を前後に揺さぶりながらカメラを構える必要がありますが、それらを加味しても楽しいレンズです。

 

 

 

 

初めての単焦点や2本目のレンズにオススメ

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ここまで簡単ではありますが、「撒き餌レンズ」について触れてきました。

個人的な総評としては買っておいて損はない!という感想です。
室内・室外問わず、ちょっとした物撮りをよくされる方にはおススメしたいものです。

景色を主に撮りたい方はもっと広角のレンズでも良いかもしれません。

 

相場も落ち着いているのもあり、仮に手放す事を検討してもそこまで損する事はないでしょう。

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手軽なサイズ感と価格帯。

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カメラを構えれば手軽にカリカリな解像度とボケ具合が楽しめます。

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どこかのレビューにもありましたが、写真が上手くなってしまったかのように錯覚してしまうほどです。

 

 

強いていうならこのレンズは「撒き餌」だという事。
レンズの違いによってこうまで変わるのかと感動したなら、ズブズブと沼にハマっていくことでしょう。笑

現に私はレンズ沼に片足入れたら戻れなくなってきました。

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徐々に増えていく単焦点の仲間たち...。

来週またいっぱいレンズが届きます。なんで(?)

 

初めての単焦点や2本目のレンズとして、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

 

最後までお読みいただきましてありがとうございました。