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革の雨ジミを濡らしてごまかす荒療治を試してみた

 

最近のゲリラ豪雨にはほとほと困ります。

降水確率が殆ど無かったはずの日でも急に土砂降りになったりと、革製品好きには気の抜けない日々です。

気をつけてはいたものの...。

 

やってしまいました、雨ジミです\(^o^)/

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濡れてしまったものの、その日は所用で手にかけられず...。
気がついたら強烈な雨染みになっていました。

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コードバンではなかったのが唯一の救いですが、やはりショックを受けるものです。

 

今回はそんな状態を荒療治ともいえるやり方で落としていきます。
それは、シミ部分を再度濡らし圧をかけることで、シミの境目をごまかしていく...というものです。

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本当に大丈夫なのか...?

ここまで広範なシミをきれいに落としきれるか分かりませんが、クリーム塗布等のケアまで含めて目立たないようにするべく奮起します。

 

 

 

 

 

雨シミの原因は染料・油分や汚れの析出

濡らすとシミになってしまう革製品。

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では、なぜ革を濡らすとシミになってしまうのでしょうか。

 

その原因を調べていると、TIME&EFFORTさんの「革のトラブルシューティング」にて興味深いことが記載されていました。

革製品は基本的に水に濡らすのはNGといわれる。

それは水が乾くと革の中に染み込んでいた汚れや油分が、濡れた部分と乾いた部分の境目に析出してシミになるからだ。

引用:TIME&EFFORT

なるほど...!

シミの原因は、一部が濡れた事による汚れや油分の不均衡によるものだと。

だからこそ濡れてしまったときの応急処置として、全体的に濡らしてシミの境目をボケさせるという手法が有効なわけですね。納得です。

 

 

 

水をもって水シミを制す

TIME&EFFORTさんの「革のトラブルシューティング」では、こういったシミへの対処法も詳しく記載されていました。

timeandeffort.jlia.or.jp

その方法は至って簡単。
シミ部分を再度濡らしてもみ洗いのように水を浸透させていき、境目をぼかしていくという方法。

本当にこの方法が通用するのか疑念は残りますが、今回はこちらを参考にしながら手入れしていきたいと思います。

 

さっそくやっていきましょう!

せっかく濡らすのでサドルソープを使用しての丸洗いも行います。
事前準備として靴を水に浸します。

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余談ですがいつものバケツが壊れたので古いものを引っ張りだしてきました。
カビだらけで汚すぎる。

 

水が靴に浸透したら革専用石鹸「サドルソープ」を着けて洗っていきます。

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ペネトレイトブラシで石鹸を取ると取りやすいのでオススメです。

シミ部分はもちろん全体的に汚れの気になるところを洗います。

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満足するまで洗ったら軽くゆすぎ、泡を少し残した状態で終了します。
なんでも少し残した泡が革の過乾燥を防いでくれるとのことです。

 

まだ洗っただけなのでシミはそのままです。

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お次はTIME&EFFORTさんの手入れ方法を参考にシミの境界線をぼかしていきます。

 

布を指に巻き水を染み込ませます。

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もちろん使用しているネル生地はこちら。

レビューの通り、知る人ぞ知る靴磨きに特化した布です。 

こちらで境界線を叩いてシミの境界線をぼかしていきます。

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試行錯誤してみた結果ですが、布に水をビタビタに付けた状態で、シミの境界線に力強く押し込んでいく方法が効果的でした。

洗った直後はこれだけ目立っていたシミも...。

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こんなかんじに次第に消えていきます。

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すごくないこれ!?

押し付けてるだけですよ!?
作業しながら感動してしまう変わり様でした。疑って申し訳ない!

シミの境界線を満足するまでぼかしたら、革に負担をかけないように自然乾燥すれば完了です。

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消えきらなかった部分もありますが、これくらいならクリームの塗布やワックスの塗布で十分ごまかせるでしょう!

 

 

 

通常取りのケアをしていく

あとはいつも通りの靴磨きをしていきます。

まずはデリケートクリームから。

水分量多めのクリームで革の奥まで浸透してくれます。

ブラシに米粒大ほど取って全体的に広げます。

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あとはネル生地で余分なクリームを拭き取ります。

乾燥した革に潤いが戻ってきました。

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こうしてみると強烈な雨シミも言われなければわからないレベルですね!

お次は乳化製クリームで捕色していきます。

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どの色を入れようか迷いましたが、靴色よりも1トーン明るい色を選択するのが一般的なので一番左のライトブラウンにしました。

デリケートクリーム同様に米粒大ほど取り全体に広げます。

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余分なクリームをネル生地で拭き取ります。
ネル生地にクリームがつかないレベルまで拭き上げればOKです。

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全体的に光沢感が付与されました。

 

これで終了でも良いですが、つま先付近のシミをごまかすために鏡面磨きも行います。
今回もトラディショナルワックスを使用。

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塗膜が固く簡単に鏡面になるスグレモノです。

つま先にワックスを薄く何層も重ねます。

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水を少しだけ含ませたネル生地で拭いていくと...。

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はい、つま先がピカピカになりました。
これで通常の手入れが終了です。

 

全行程が終了した靴がこちら。

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我ながら満足の出来です!
あれだけ目立っていたシミも、言われなければわからないレベルではないでしょうか。

 

履いてみても問題なさそうです。

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荒療治ではありますが、まさかここまできれいになるとは。

突然のゲリラ豪雨への対処法をひとつ身につける事ができました。

 

 

 

 

1つの方法として試してみる価値はある

今回はシミ部分を再度水に濡らしてシミ抜きを図るという方法を試してみました。

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荒療治ではありますが簡単にシミの境界線をぼかす事ができたのではないでしょうか...!

大した手間でもないですしそこまで難しい手法をする事でもなく、素人の私でも是正する事ができました。

 

「シミ抜き専門店へ持っていくのも面倒だしお金がかかるし...。」という方は一度試してみても良いのではないかと思います。
ただ、水に濡らす事自体革製品に推奨される方法では無いので、シミが広がってしまう等リスクも理解したうえでお試し頂けたらと思います。 

 

最後までお読みいただきましてありがとうございました。