あるあぷ

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30分以上撮影できるデジカメが増えるかもしれない

(この記事は約6分でお読みいただけます)

 

 

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連続録画時間の制限がなくなった。

 

かねてよりデジタルカメラでの動画撮影機能には、関税の理由から「29分59秒まで」というメーカー側からの制限が設けられていました。

しかし今年2019年2月1日から発足された日欧EPA(日EU経済連携協定)を受け、この関税は即時撤廃。
カメラとビデオカメラのカテゴリの境目がなくなりました。

これを受けて、今後は30分以上撮影可能なデジカメが増えていくかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

撮影時間29分59秒の謎

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コンデジでも一眼レフでも、長時間撮影をしようと録画ボタンを押したのにいつの間にか停止していた経験は誰にでもある事でしょう。

動画を見返してみれば図ったかのように29分59秒で停止。
決定的瞬間を捉えたであろう喜びは虚空に消えます。とても悲しい。

 

なんでこんな不親切な仕様なのだろうと疑問に思っていましたが、その答えはJETROの関税に対する資料にありました。

2) 概要
 デジタルカメラ(CNコード:8525 80 30)はかねて、ITA対象製品として、関税が免除されてきたが、ビデオ機能つきの機種の増加に伴い、一部のデジタルカメラについてはビデオカメラと再分類し、関税を適用することが決まった。欧州委員会実施規則2016/1047(2016年7月1日発効)により、「テレビビデオカメラ(CNコード:8525 80 91)」には関税率4.1%(その後、2017年に3.3%、2018年7月に2.5%に引き下げられ、2019年7月からは規則2018/1602により1.6%となる)を、「ビデオカメラその他(CNコード:8525 80 99)」には関税率10.5%(2017年に7.0%、2018年7月に3.5%に引き下げられ、2019年7月からは規則2018/1602により0%となる)が賦課されることとなった。

 

 デジタルカメラとビデオカメラの分類基準は、2016年6月15日付官報C214に掲載されたCNコードの注釈(2016/C214/09)で規定されている。これにより、静止画像の撮影を主目的とするデジタルカメラであっても、ビデオの画質が800×600ピクセル以上、フレームレートが23fps(フレーム/秒)以上、および動画の連続録画時間30分以上という3つの基準を満たすビデオ機能がついている場合は、「テレビビデオカメラ」もしくは「ビデオカメラその他」に分類され、関税が課される。上記の3つの条件のうち、1つ以上を満たす場合の製品は、主な機能、または欧州委員会実施規則458/2014の条件(電荷結合素子(CCD)が0.8メガピクセル程度、画質が1,600×1,200ピクセル以下、動画の画質が720×566ピクセル以下、フレームレートが50fps程度など)に応じて分類される。

 

 なお、静止画像の画質が5メガピクセル以下、動画の画質が1,920×1,080ピクセル以下、フレームレートが30fps程度のアウトドアスポーツなどの撮影に使うアクションカメラは「ビデオカメラその他」に分類され、欧州委員会実施規則876/2014に基づき関税(10.5%)が課されていたが、EU司法裁判所が2017年3月22日に同規則を無効とする裁定を下したことを受け、2017年11月21日に同規則は廃止された(欧州委員会実施規則2017/1977)。当該カメラはCNコード8525 80 91に分類されている(同コードに課される関税は3.3%であったが、2018年7月から2.5%、2019年7月から1.6%に引き下げ)。また、日EU・EPAの発効と同時に、EUに輸入される日本製デジタルカメラに対する関税は即時撤廃される。

 

゛EU関税制度 対日輸入適用関税分類に関する近年の動き詳細゛JETRO
https://www.jetro.go.jp/ext_images/jfile/country/eu/trade_03/pdfs/eu_p12_3G010.pdf(引用 2019-02-14)

要約すると、下記3条件を満たした動画撮影可能なカメラは、カテゴリー「ビデオカメラ」として関税が課せられていたわけですね。

  • 解像度800×600ピクセル以上
  • フレームレート23fps以上
  • 連続録画時間30分以上

一時は最大で10.5%なんていうトンデモ課税だったわけですが、そんな強気な上乗せでは購入者も減ってしまいます。

現在主流のカメラのスペックでは、解像度もフレームレートも軽々基準を超えてしまうので、連続録画時間を制限する他ありません。
だからこそメーカー側で29分59秒で止める仕様にする、というのが現在界隈の通例になっているという事です。

29分59秒の謎が解けた瞬間です。

 

 

 

 

 

日欧EPA発行による関税撤廃

今年2019年2月1日から日欧EPA(日EU経済連携協定)が発行され、ビデオカメラに苦しい関税も撤廃される事となります。

www.nikkei.com

ニュースでは嗜好品が安くなる旨の内容で取り上げられていましたが、先ほど引用したJETROの文章の通り、ビデオカメラに適応されます。

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EU側の工業製品関税に関する合意の詳細゛経済産業省
http://www.meti.go.jp/press/2017/12/20171225008/20171225008-1.pdf(参考 2019-02-14)

一番上が「デジタルカメラ」、真ん中が「ビデオカメラ」、一番下が「ビデオカメラその他」を表します。

3つとも関税は即時撤廃。
これによって「カメラ」と「ビデオカメラ」の境界がなくなり、メーカー側も制限なく作ることが出来るようになりました。

なんでも、デジカメ以外にもレンズやフラッシュ、三脚等にも関税があったようですがこれらも即時撤廃との事。
よりカメラ界隈で経済が回りそうな予感がします。

 

 

 

CP+ 2019に期待

こんな背景の中、今年も撮影機器の祭典「CP+」が2019年2月28日から開催されます。

www.cpplus.jp

この日欧EPA発足を受け、各メーカーは様々な隠し玉をスタンバイしている事でしょう。

YouTuber御用達のPanasonic GH5はもちろん、最近ではSonyからもα6400が発表されていたりと、録画機能特化型のデジタルカメラの発表も密かな注目コンテンツになりそうです。

先述の通り、レンズやフラッシュ等の関税も撤廃されたため、小物の新商品も含めて活況なイベントになりそうな予感がします。

 

 

 

 

 

あとがき

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デジカメの連続録画時間29分59秒のロジックと、日欧EPA発足で制限が解除される旨について纏めてみました。

これら背景から、今後は30分以上撮影できるデジカメが増えるかもしれません。いや増えて欲しい(願望)

既製品でも今まで関税を浴びていたであろう録画特化デジカメは、値が落ち着いてくるのもあって相場はまた一転しそうです。

私自身も値が落ち着いてきたCanon 5D markⅡ・Ⅲあたりを狙っていましたが、動画のほうも長時間かつ綺麗に撮りたいので暫く様子を見たいところ...。
本当はCP+の現地に赴いて見ていきたいところですが、少々離れているので今回も参加された方々の中継で情報を得る事とします。

また良い意味で悩める日がしばらく続きそうです。

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。