あるあぷ

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文献クリッピングの効率化、マウス兼スキャナ「MSC20」の使用感

(この記事は約10分でお読みいただけます。)

 

 

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文献のスキャン作業が面倒すぎる。

 

プレゼン資料やら論文作りなどなど、文献や資料をスキャンする機会は誰にでもあると思います。

家ならまだしも職場の場合は、デスクからスキャナまで移動してスキャンして...と案外煩雑なものです。
そんな面倒なスキャン作業をデスクから動かず手軽に行えるものとして、マウス型スキャナを導入してみました。

1ヶ月近く使ってみて、非常に良いものだったのでブログにてご紹介したく思った次第です。
資料クリッピング作業効率化のいち選択肢として参考にしていただけましたら幸いです。

 

 

 

 

 

 

   

 

忙しい方向けざっくり解説

  • 有線駆動のスキャナ一体型マウス
  • 通常のマウスサイズで持ち運びやすい
  • Windows10、Mac対応
  • スキャン用マウスパッド同梱しているが必要なし
  • jpg(画像ファイル)、doc(Word)、xls(Excel)、pdf、txtの拡張子で保存可能
  • スキャンした画像は編集可能、編集でより鮮明に
  • txt変換は実用的ではない
  • 同パターン画のスキャンは苦手?

 

 

 

 

 

スキャン作業は煩雑

どんな職種であれ、プレゼンや論文等の資料作りをする機会はあるというもの。

そんな中で切っても切り離せない関係にあるのは文献等の使用ではないでしょうか。
データを出して説明するにも、考察を重ねるにも、論理的な説明たらしめる内容にするには文献等の引用・参照が鍵を握ります。

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文献や資料の中でスキャンしたい部分を見つけては、その都度自らのデスクを立ち、スキャナを開いてスキャンするのは煩雑だなぁと思っていました。

そんな最中にマウスとスキャナが一体になった商品がある事を知ります。
クリッピング作業の効率化を図るべく...という名目のもと、ガジェット好きの血が騒いだので購入してみました。

 

 

 

マウス兼スキャナ「MSC20」

こちらが今回購入したKING JIM「MSC20」です。

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お値段は2019年3月末の時点で約7,000円前後。
スキャナと比較すれば比較的安価ではないでしょうか。

 

外観はいたって普遍的なマウスです。

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マウスとしての機能は、スクロール、左クリック・右クリックのみ。
これ以下はないくらいの機能です(失礼)

スクロールにはゴム素材があしらわれています。
これ劣化するとベタベタになるんですよね...。

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スクロールの周りには「SCANボタン」が配置されています。

 

唯一外観の中で他と異なるのはマウス裏側。

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スキャナで言うところの原稿台ガラス(紙をのせるところ)がマウス裏側についてあり、これを直接紙に押し当ててスキャンします。

 

ご丁寧にマウスパッドまで付いてきますが、サイズが縦13cm×横16cmと小さいので実用的ではありません。

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使用しなくても問題なくスキャン可能です。

 

 

 

MSC10とMSC20の違い

私が今回購入したのはMSC20ですが、同社からは過去にMSC10というモデルが発売されています。

この2つの違いについては公式から回答がありました。

Q.MSC10との違いは何ですか。

A.マウスのセンサーがレーザーからLEDになりました。また、スキャンボタンを親指で触れやすい左側面から上部に変更しております。
専用ソフトでは保存形式のTIFFがなくなり、TXT形式が加わりました。専用ソフトは基本の機能はそのままにデザインを一新しております。

MSC10との違いは何ですか。 | 「マウス型スキャナ」 MSC20 | マウス型スキャナ | よくあるご質問(Q&A) | ファイルとテプラのキングジム

なるほど...!
単純なマウスの性能アップとともに、汎用性の高い拡張子txtとして読み取れるようになったのはありがたいですね。

のちほどtxtの機能について検証していきたいと思います。

 

 

 

使用前の準備

スキャンを開始する前にドライバをPCにインストールします。
MAC、WindowsともにドライバはKING JIM公式よりダウンロード可能です。

www.kingjim.co.jp

私のPCに沿って、Windows10にてご説明します。

上記URLのページ中段あたり「ダウンロード」をクリックします。

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するとMSAP20というファイルがダウンロードできます。

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ZIP形式ですので、解凍ソフトが別途必要です。

 

開くとexeファイルが1つ入ってますのでインストール。

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任意の言語を選択してインストールをクリック。

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長いスクロールのユーザーライセンスを読み、承認したらダイアログボックスにチェックを入れます。

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この「契約に同意~」のチェックが無いとインストールが出来ないようになっていますのでご注意ください。

 

これでインストール完了です。

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準備が整いました。

 

 

 

実際にスキャンしてみる

まずはマウスをPCに接続します。

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適切に認識されているとSCANボタンが光ります。

この光は任意でON-OFFできると良かったのですが、どうやってもこのまま光っているようです。
ゲーミングマウスかな?(すっとぼけ)

 

とりあえずのお試しで本機MSC20の説明書表紙でもスキャンしてみましょう。

前項「使用前の準備」でインストールされたアプリ「Scanner Mouse」を起動します。

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この状態でマウスのスキャンボタンを押すとスキャン開始。

原稿台ガラス部分が強く光ますので直視しないようにご注意ください。

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スキャンしたい資料の上でゆっくりとマウスを滑らせる事でスキャンされていきます。

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座標のズレを確認しながらスキャンしているようで、文字がブレたりズレたりしても、再度その部分を読みこむことでズレが是正されていきます。

左上にある「スキャンメモリ」が尽きるまでの範囲で可能です。

 

範囲に満足したら再度「スキャンボタン」を押すと、自動的に水平調整と画像の切り抜きが行われます。

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(さきほどスキャンした画像と少々異なりますが気にしないでください。)

もちろん自身で微調整をする事も可能です。
問題なければ画面右下のOKをクリック。

 

あとは任意の拡張子にてPCに保存する事が可能です。

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jpg、doc、pdf、txt、xlsと汎用性の高い拡張子ラインナップです。

 

今回は画像ファイル(jpg)にて保存してみました。

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超簡単にできました。

若干黄色っぽい色味になっていますが、色調の調整で更に見やすくなります。
詳しくは次項にてご説明します。

 

 

 

どこまで繊細に読み取れるか

お次はどこまでスキャンの精度があるのか、編集でどこまで化けるのかを確認していきます。

まずはスキャン精度について。
細かい文字の代表格「医学大辞典」ではどうでしょうか。

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今流行り(?)の忌々しい「花粉症」のページにて試行していきましょう。

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前項でご紹介した通りの順序でスキャンしていきます。

スキャンモードにてマウスをゆっくり滑らせスキャン。

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任意の範囲で切り取る。

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あえて無編集jpgにて書き出すと以下のようになります。

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(相川直樹ほか(2006)『医学大辞典』第19版,pp.411,南山堂.)

少々読みにくいながらも繊細に写っています。
縦軸と横軸の座標ズレもほぼなくこのレべルならまぁ実用範囲ではないでしょうか。

強いて気になる点を挙げるなら黄色く見える部分です。

 

さてさて。
お次は編集でどこまで化けるのか

無編集でも繊細でしたが色調等を調整する事でさらに見やすくなります。
さきほどの黄色みもここで消す事ができます。

簡単な調整なら編集画面の右側でいじる事が可能です。

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彩度を切ってコントラストをちょい上げるとこんな感じに。

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(相川直樹ほか(2006)『医学大辞典』第19版,pp.411,南山堂.)

さきほどよりも確実に見やすくなりました。

そもそもスライドに貼る場合には上のような「文字部分をスキャンした画像」よりも、「イラストをスキャンした画像」を使用する事が圧倒的に多いはずです。
という事で医学大辞典の「大脳」のページにあったイラストをスキャンして、色調を調整してみました。

f:id:SATA_0326:20190324105157j:plain (相川直樹ほか(2006)『医学大辞典』第19版,pp.1547,南山堂.)

うーむ綺麗ですね。
ここまで見やすければ確実に実用範囲でしょう。

 

他のソフトに頼れば更にシャープにする事も可能です。

WordやPowerPointでもフリーの編集ソフトでも、シャープネス編集できる機能さえあればなんでもOK。

試しに「CLIP STUDIO PAINT PRO」のシャープフィルター(強)をかけてみました。

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(相川直樹ほか(2006)『医学大辞典』第19版,pp.411,南山堂.)

ピンボケしたような文字がより一層シャープになりました。
正直ここまで編集するのは少々面相なので、コントラスト調整あたりの実用に足るレベルまでで十分な気がします(笑)

何はともあれ、編集次第ではいくらでも化ける事が確認できました。つよい。

 

 


テキストファイル変換の精度はいかほどか

MSC20から追加されたtxt変換の精度はどれくらいなのかを検証していきます。

さきほどスキャンした医学大辞典の「花粉症」のページを変換してみましょう。

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(相川直樹ほか(2006)『医学大辞典』第19版,pp.411,南山堂.)

こうして見てみると難しい漢字や専門用語の連発です。中にはルビもあります。
果たして変換しきれるでしょうか。

jpg(画像ファイル)で保存した時同様、txt保存もScanner Mouseアプリにて可能です。

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txt変換にて起こされた文字を下に張り付けてみました。
間違っている部分は赤色にしています。

花粉症tt》[英pollinosis] 枯草熱hay fever》花粉症は花粉に感作された個体が原花粉に域脒されることにより発症するI型.アレルギーによる疾患である.ほぼMじ時期に花粉の飛敗峙期に一致して症状がm现しはじめ.花粉の飛敗燉加と共に症状が埘恶し,その時期が過ぎると症状が突然消失するのが通である.择粘股,?;Ml •中に存在するマスト細胞(肥満細胞1").好塩基球の細丨似脱丨•.の特WgE抗体と花粉抗原との反応の結遊離されるヒス夕ミン*. slow-reacting sub-stance of anaphylaxis (SRS-A* : ロイコ トリ エン* C|.D4, E4)などの化学伝物質により症状が発する.欧米では枯び热hay feverともいわれている•本症はレルギ一' アレルギー性結炎' 気管支喘息*のさまざまなみ合わせで起こる.花粉症の原Wとなる物はスギ.ヒノキ,サワラなどの樹木.カモガヤ,才才アワガエリ,ナガハグサなどのイネ科物.ブタクサ.ヨモギ.カナムダラなどの雑草である.症状としては大饿の水性钵丨W, wm, くしゃみ.内瘙痒などのアレルギ一の症状,眼結膜の発赤,瘙痒.流.眼瞼肿脱などのアレルギー性結膜炎の症状.呼吸W雖,喘嗚.せきなどの気支喘息の症状がみられる.

これはひどい。

どれも惜しい文字に変換されていますが実用的ではありません。
誤字確認をしている時間があるなら最初から手打ちしたほうが効率的でしょう。

 

 

 

同パターン画のスキャンは苦手か

良い部分ばかりが目立つ本機ですが、いくつかスキャンしている中で苦手なパターンがあることに気がつきました。

たとえばこちらの本「風と共にゆとりぬ」。

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箔押しのタイトルの周りは同じようなパターンの模様が続いているのですが、この部分がどうやっても読み込めません。

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先述の通りこのスキャナは座標のズレを確認しながらスキャンしてくれるようで、同じパターンは続く絵は座標を読み誤るようです。
途中から座標ズレを認識した場合、「もう一度スキャンした場所から読み直してくれ」と怒られます(笑)

単色やチェック柄でも同じような現象が起こるため、同じパターンを読むのは苦手なのかもしれません。

 

 

 

 

 

あとがき

弱点はいくつかあるものの、約1ヶ月間使用してみた感想としては非常に良いものでした。

普段はノートPCとともに持ち歩く事で通常のマウスとして機能させ、スキャンしたい文献や資料があればそのままスキャンできるという手軽さは手放せなくなりそうです。

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超高画質で文献全体をスキャンしたい等には不向きですが、クリッピング作業効率化の選択肢として覚えておいて損はないのかもしれません。

 

最後までお読みいただきましてありがとうございました。