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Suhr推しの指板コンディショナー「Fret Board Juice」を使ってみた

(この記事は約10分でお読みいただけます。)

 

 

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指板や木製パーツの乾燥が気になる。

 

 

つい先日の事、BlackWaterという珍しいギターが私の家に来ました。

www.satanokoe.com

要所に木製パーツを起用した大変美しいデザインです。

唯一気になるのは、その木製パーツや指板に一部乾燥が見られるという部分。

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レモンオイルではかえって乾燥を招いてしまうと噂を聞き、Suhrの勧めるミネラルオイルを使用してみました。

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メンテナンス用品のいち選択肢として参考になりましたら幸いです。

※こちらの記事では指板以外の木製パーツにも塗布していますが、推奨されている使い方ではないのでご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

指板メンテナンスの誤謬

かねてより「指板の乾燥対策にはレモンオイルが良い」という風潮がありましたが、それは間違いである事が証明されつつあります。

Gear Otakuさんにて投稿された「有名ギターメーカーのメンテナンス術」をご覧ください。

gear-otaku.blogspot.com

 アコースティックギター界の大御所マーティン。こちらも公式サイトでメンテ方法を説明しています。

基本は水拭きというのはギブソンと同じですが、レモンオイルを使わないよう呼びかけているのが興味深いところです。

理由はレモンオイルの酸が塗装を破壊し、フレットと弦も腐食させるため。

゛有名ギターメーカーのメンテナンス術:ギブソンは水拭き推奨、マーティンはレモンオイルを否定゛Gear Otaku
https://gear-otaku.blogspot.com/2016/09/gibson-martin-guitar-bass-maintenance-care-cleaning.html(一部抜粋 2019-02-03)

では他のメーカーはレモンオイルについてどう考えているのかというと、たとえばテイラーは年に1~2回、ごく少量であればレモンオイルを使っても問題ないとしています。しかしこれは使いすぎると悪影響があるということでもあります。

下はエリクサーとテイラーが作成したメンテナンス動画。指板はスチールウールで掃除した後にリンシードオイルで保湿し、ボディとネックは自動車用ワックスで磨いています。

゛有名ギターメーカーのメンテナンス術:ギブソンは水拭き推奨、マーティンはレモンオイルを否定゛Gear Otaku
https://gear-otaku.blogspot.com/2016/09/gibson-martin-guitar-bass-maintenance-care-cleaning.html(一部抜粋 2019-02-03)

ジョン・サーはレモンオイルについて、過去に指板クリーニングに使っていたものの、指板の水分を奪っていることに気づいてからは使わなくなったと述べています。

゛有名ギターメーカーのメンテナンス術:ギブソンは水拭き推奨、マーティンはレモンオイルを否定゛Gear Otaku
https://gear-otaku.blogspot.com/2016/09/gibson-martin-guitar-bass-maintenance-care-cleaning.html(一部抜粋 2019-02-03)

 

有名メーカーそれぞれに差はあるものの、レモンオイルに対して否定的な考えを持っていることは共通しているようです。

思い返せば「なんだか弦やフレットが錆びやすいな」なんて思う時がありましたが、その原因が良かれと思って使用していたレモンオイルによるものだったとは。

各メーカー独自のメンテナンス法とはいえ、一流メーカーとして今も健在なのでどの方法を選択しても間違いではないのでしょう。

 

...となると、今まで触れてきたギターの中で最も良い指板状態のメンテナンス法を真似したい。

ふと思いついたのがSuhrでした。

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素人目ですが、私の手元にあるSuhr Modern個体だけでなく、どの個体を触っても適度に潤っているような薄く塗膜があるような(?)印象があります。
代理オーダーした知人のギターも同じような触り心地だったのできっとそういう仕様なのでしょう。多分。

先ほどのGear Otakuさんの記事にSuhr創始者John Suhrの詳しいメンテナンス方が記載されています。

Roche Thomas のPremium Fingerboard Oil を使っていましたが、入手が難しくなった現在は、100% ミネラルオイルのBig Bends Fret Board Juice を使っています。

またSuhr の工場はビッグベンズ製品を常備しており、全製品にNut Sauce とGloss Sauce を使っているとのことです。

゛有名ギターメーカーのメンテナンス術:ギブソンは水拭き推奨、マーティンはレモンオイルを否定゛Gear Otaku
https://gear-otaku.blogspot.com/2016/09/gibson-martin-guitar-bass-maintenance-care-cleaning.html(一部抜粋 2019-02-03)

なるほど...!
ミネラルオイル(流動パラフィン)という選択肢は考えてもみませんでした。

確かに流動パラフィンならある程度の浸潤が期待されるうえ水には不溶です。
油分の膜を張るのもあって乾燥対策としては最適解とも言える物質でしょう。

John Suhr推しのFret Board Juice、すぐに注文してしまいました。

 

 

 

100%ミネラルオイル

というわけで到着しました。
Big Bends - Fret Board Juiceです。

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まず到着して思ったのが大変小さい。
ボトルの高さはわずか8cm程度、容量は1オンス(30ml)しか入っていません。

iPhone SEと比較するとご覧の通り。

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そんなにガバガバ使うものでは無いのでこれで良いのでしょう。

John Suhrの仰る通り、内容物は100%のミネラルオイル(流動パラフィン)です。

ja.wikipedia.org

前述の通り水分へ不溶性のほか非揮発性で、酸化しにくく、伸びや浸透性にも優れているという特徴があります。つよい。
指板面に塗装がしてある場合、保湿効果は期待できませんが、汗や手垢などのクリーナーとして使用できるようです。

パラフィンのクリーナー効果の是非は正直疑問がありますが、これなら塗りたくない部分をマスキングするほど神経質にならなくても良さそうです。

 

あくまで”指板”メンテナンス剤なので推奨している使い方ではありませんが、いわばこれは純度の高いワセリンなので乾燥対策という意味では問題は無いのかなと考えてボディバックにも使用してみます...!

あくまで各メーカーで使用されたオイルにてメンテナンスするのが最適解だという事をご留意ください。

 

 

乾燥部分の確認

塗布する前に乾燥が気になる部分を写真におさめておきます。

指板部分。

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木製ピックアップカバー。

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カッタウェイ部分。

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カッタウェイ高音弦側。

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どこも乾燥が進んで白くぼやけている印象です。
肌触りもカサカサ。

ミネラルオイルでどこまで改善されるでしょうか。

 

 

 

実際に塗布していく

早速乾燥している指板・木製パーツに塗布していきましょう。

ボトル背面の使用方法を参考に使用します。

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少量をクロスに染み込ませて指板・木製パーツに刷り込んでいきます。

ここでも活躍、ワイプオール。

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当ブログでは数えきれない程に登場しています。
もはや一家に一つは持っていて損は無いでしょう(ダイレクトマーケティング)

 

内容物はまったくの無臭。
粘性はオリーブオイルくらいサラサラです。100センチポアズ前後でしょうか。

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微量をクロスに取り塗布していきます。

とりあえず2フレットまで塗ってみました。

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塗り心地は非常に滑らか。
クロスに2〜3滴程度でも十分にオイルが伸びていきます。

乾燥している3フレット以降との色差が顕著になりました。

 

あっという間に指板全体に塗布完了。

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全体的に杢目が更に際立った印象を感じます。

指板を軽く擦っただけでこんなにも汚れが...(笑)

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この汚れはフレットのサビではありません。
知らないうちに手垢ってついているものですよね。

 

その他木製パーツにも塗布しました。

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カサカサで色が薄くなっている部分が改善されました。

あとは乾いたクロスで余分なオイルを拭き取れば完了です。
使い勝手はレモンオイルと変わりません。

 

乾燥部分全体に使用しましたが、内容量はほとんど変わりなし。

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案外コストパフォーマンスは高いのかも...!
レモンオイル同様に何年も使い続けられそうです(笑)

 

そのまま弦も交換します。

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しばらくレギュラーあるいは半音下げチューニングで遊ぶ予定なので10-46のエリクサーを選択。
余談ですがAmazonの2+1セット入ったエリクサーは弦ゲージさえあえばネットでは最安価です。

 

できた!

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ロックペグ仕様に慣れたら他に戻れませんよね。

塗った直後に弾いてみた感想としては、非常に滑らかな手触りになったように思います。
まさにSuhrの指板みたいな触り心地です。

白くぼけてしまったような見た目も改善され、木目もはっきりと出たように思います。

 

 

 

 

 

塗布前後の比較

Fret Board Juice塗布前後での比較です。

まずは指板部分。
【塗布前】

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【塗布後】

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木製ピックアップカバー。

【塗布前】

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【塗布後】

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カッタウェイ部分。

【塗布前】

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【塗布後】

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カッタウェイ高音弦側。

【塗布前】

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【塗布後】

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カメラが違う写真もいくつかありますが、先述のとおり全体的にカサカサで白飛びした部分が改善され、木目が際立ったのではないでしょうか。

 

塗布から1週間ほど経った現在も塗った直後のようなサラサラ感が保たれています。

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もちろんパーツや弦の腐食も特にありません。

乾燥対策としてのミネラルオイル、良いかもしれません...!

 

 

 

 

 

あとがき

今回はSuhrのメンテナンス法を踏襲し、指板・木製パーツの乾燥対策にミネラルオイルを使用してみました。

「Fret Board Juice」という名前ながらも指板だけではなく、木製パーツ等に使用する大罪を犯しましたが現状問題なく経過しています。
カサカサだった見た目も触り心地も改善されて言うことありません。

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乾燥対策に蜜蝋の塗布も迷いましたが、臭いがきつい事と木材の色味が燻る経験もあったので避けました。
もちろん中にはオススメされている方もいらっしゃるので皆様なりの解釈で選択いただけましたら幸いです。

 

私と同じような乾燥に悩んだり、レモンオイル否定派の方々は一選択肢として「Fret Board Juice」試してみてはいかがでしょうか。

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しつこいようですが、指板用のメンテナンス剤でありオイルフィニッシュ等のボディには推奨されていない事をご留意ください。

 

 

最後までお読みいただきましてありがとうございました。