消費増税だなんだと慌ただしい昨今。
メインPCが急逝した事もあり、前々から気になっていた2-in-1デバイスSurface Pro 6を購入しました。
タブレットにもなり、ノートパソコンにもなる。
別途ペンを用意すればペンタブにもなる万能機と噂の2-in-1デバイスです。
およそ1週間ほど使用した感想をさまざまな視点でレビューしていきたいと思います。
購入や検討の参考になりましたら幸いです。
- 事の発端はメインPCの急逝
- シンプルで格好良い
- 小さいは正義である
- スペックから考えると割高
- グッドポイント
- バッドポイント
- 自然とミニマルになっていくデバイスなのかも
- 持ち運ぶ機会が多いなら検討すべき
事の発端はメインPCの急逝
なんでこの時期にSurface Proなんて高価なものを買ってしまったかというと、メインで使用していたコチラのデスクトップPCが壊れてしまいまして。
水冷PCって本当に急に壊れるんですね...。
水冷クーラーから漏れ出た不凍液のおかげでグラボもマザボも重症です。
不要なノートPCは半年ほど前に処分してしまったうえ、PCパーツもスペアがないので自室にはPCがありません。
情報収集はもちろん数多の取引をPCで行う私としては致命的な状態です。
いっそこのタイミングでMac製品への移行も検討しましたが、メインPCのSSDやHDDからクローンドライブを使って再びPCを作り直す事も検討してWin機にする事に。
そこで前々から気になっていたSurface Proを検討しはじめました。
冷静な状態ならもっとコスパの良いデスクトップPCでも検討したはずですが、この機会にと思って買ってしまいました。
今後持ち運びできるPCも欲しいなと考えていましたからね(合理化)
財布の紐が緩んだのではなく、不測の事態に紐が弾け飛んだというのが正しいかもしれない。
シンプルで格好良い
ということで到着しました、Surface Pro 6です。
カラーはプラチナ。
タイプカバーも同梱タイプです。
Surfaceペンは今回は購入しませんでした。
メインPC直すのにお金がかかりますからね...。
スペックは以下の通りです。
CPU:Core i5 8250U
メモリ:8GB
ストレージ:SSD256GB
Wi-Fi:IEEE 802.11 a/b/g/n/ac 互換
Bluetooth:4.1 ワイヤレス テクノロジ
拡張性:3.5mmイヤホンジャック×1、Mini DisplayPort×1、USB3.0×1、Surface Connect、Surfaceタイプカバーポート×1、microSDXC カード リーダー
ずいぶんと控えめなスペックにしました。
だってお高いんですもの。
ちなみにSurface Pro 6からはOfficeソフトが付属します。
5時代はOfficeなしもありましたが、今回は同梱版しかありません。
じっくり外観を見ていきましょう。
正面のディスプレイ部。
12.3 インチの「PixelSense」と呼ばれるディスプレイです。
後述しますが、これが非常に美しい。
コントラストと彩度が強めではっきりくっきり映ります。
左側面上部にはイヤホンジャック。
右側面には、上から順にMini DisplayPort×1、USB3.0×1、Surface Connect(充電端子)があります。
Surface Connectには充電ケーブルが刺さります。
マグネット式なので挿さるというよりくっ付くというほが正しいかもしれません。
画面下部にはタイプカバーポートがあります。
これに対応したタイプカバーの接続部はこんなかんじ。
充電アダプタ同様、マグネット式で近づけるだけで強固にガチッとくっ付きます。
画面だけ持ち上げてキーボードがぶらぶらしても外れることはまずないでしょう。
かなり強力です。
キーボードはテンキーレスの省スペース型。
本体サイズの292mm×201mmという小さいサイズに合わせるための配置です。
キーボードはパンタグラフ方式。
軽い力でタイピングできて良いですが、メカニカルキーボードのような強い打鍵感が好きな方にはあまり向かないかもしれません。
キーはプラスチック。
文字部は16.5mm×16mm程度のほぼ正方形です。
キー以外の部分は高級車のルーフでおなじみアルカンターラ素材があしらわれています。
滑らかで触り心地は最高です。
背面部は非常にシンプル。
ライバルとして意識したであろうApple社製品に似ています。
ロゴマーク以外の文字や記号を撤廃していますが、こちらのほうが高級感ありますよね。
背面と横部の筐体の間にはわずかな隙間があり、排熱に配慮されています。
背面はタブレットを起こして使う用のヒンジがついています。
ヒンジにクリック感はなく、0度、約30~150度の間で任意の角度調整が可能です。
0度~30度の間では固定力がないのでその間で止めることはできません。
公式HPでは、傾斜をかなり深くした状態を「スタジオモード」と呼んでいるようです。
たしかにこれくらい深いとペン操作がしやすそうです。
ヒンジが強固なので、よほど強いちからでタッチ操作しない限りは角度が変わることはないでしょう。
それでもヒンジが動いてしまうという方は最大域まで広げて使えば解決します。
ヒンジの下にある窪みがmicroSDXCカード リーダーです。
普段はヒンジと傾斜のプレートで守られているため、どこかにぶつけたりと破損の心配もありません。
小さいは正義である
本体サイズは292mm x 201mm x 8.5mmと非常にコンパクト。
しかも重量はわずか770g。
A4用紙のサイズが 210×297mmですので、これよりも小さいサイズ感です。
厚さも大学ノート(約4mm前後)が2冊分ほどしかありません。
ノートパソコンのためだけにリュックと別途手提げカバンを用意するサラリーマンをお見かけしますが、そんな方には嬉しいコンパクトさではないでしょうか。
上記理由から購入した、なんて方も結構いらっしゃるように感じます。
スペックから考えると割高
私が選択したスペックはこちら。
CPU:Core i5 8250U
メモリ:8GB
ストレージ:SSD256GB
昨今のノートPC界ではエントリークラスに毛が生えた程のスペックではありますが、それでも13万程度の強気な価格帯です。
メモリやストレージは任意のものを選択できますが、最弱スペック(i5、メモリ8GB、SSD128GB)で119,800円、最強スペック(i7、16GB、SSD1TB)では268,800円です。
Surface Pro 5時代では最強スペックで30万を越えていたので少しは良心的になった...とはいえやはり高価。
コストパフォーマンスという話を出せば間違いなくランク外になることでしょう。
当然ベンチスコアもよわよわ。
CINEBENCH R20を走らせてみましたが、極めてカクカクです。
そもそもこのデバイスで最新の3Dゲームや高負荷な作業を行おうと考える方も少ないとは思いますが、用途に合わせてCPUやメモリの選択は行う必要がありそうです。
グッドポイント
ここからは、しばらく使用してみたからこそ言える良い点を挙げていきます。
ACアダプターのケーブルが柔らかい
13.5時間稼働すると公式は謳いますが、高画質なディスプレイで動画再生でもしていればゴリゴリバッテリーは減っていきます。
これに伴って充電する機会はかなり多いとは思いますが、ACアダプタのケーブルが大変柔らかくて取り回しがしやすいです。
ディスプレイの視野角が広い
SurfaceにはPixelSenseという名のディスプレイが搭載されています。
公式FB曰く、600万ピクセルの画素数と1800:1のコントラスト比とsRGB を100 %カバーされ、タッチ機能が付与されたディスプレイのことを指すらしいですが、その説明とおり彩度が高くコントラストが強いので非常に美しいです。
しかも視野角がかなり広い。
先の写真の流用ですが、こんな横から見ても黒くなったり白ボケしたりせずに映っています。
ごろ寝しながら見ていても美しさがわかります。
タッチ操作にストレスなし
いわゆるヌルヌルサクサク操作が可能です。
タッチの誤作動もほぼなく、勢いよく動かしてもリアルタイムで追従してくれます。
文字入力の際にもストレスフリーです。
タイプカバーを外した状態の「タブレットモード」では下のようなソフトウェアキーボードが起動します。
通常のキーボード配列と変わりませんので問題なく可能です。
設定やソフトウェアのインストールで配置を変えたり、自分好みに変更することも可能です。
ここまで良いならSurfaceペンも同時購入すればよかったなと後悔中。
2017年のSurface Pro機ですが、プロのイラストレーターさんもなかなかに良い評価をしていたことを思い出します。
メインPC直してから買ってみたいと思う次第です。
キーボードが汚れにくい
さすがアルカンターラ素材。
水を弾いてくれるので汚れにくくお手入れも簡単です。
お茶がちょっとかかった程度ではすぐに拭き取ればシミにもならなそうです。
コーヒーとか紅茶はダメかもしれない...。
ネットサーフィン・動画閲覧程度ではサクサク
あくまで高負荷処理の話ばかりを挙げて「カクカクしている」とお伝えしてきましたが、ネットサーフィンやYouTubeで動画閲覧するくらいではサクサク動きます。
YouTubeで音楽を流しながらWordやExcelを操作する等も特に問題ありません。
オフィスワークや軽く操作する程度には十二分に耐えうるスペックだと思います。
静穏性が素晴らしい
これが一番書きたいところでした。
このSurface Proの素晴らしいところはまったくと言って良いほどにノイズが鳴りません!
ファンが回転している音もコイルが泣いている音もまったくなし。
自分の呼吸音のほうがよほどうるさいレベルです。
その影響か放熱しきれず背面が熱くなることがあるようですが、それは後述していきます。
バッドポイント
良いところはたくさんお伝えできたので、次はちょっと気になるポイントもご紹介します。
使用するうえでは良い面だけではなく悪い部分も向き合わなくてはなりません。
本体背面・アダプタが熱い
先の続きです。
最強の静穏性の影響か、怒涛のインストールやデータの移行、重たいアプリケーション等を使用すると背面が熱くなります。
実際に表面温度を計測してはいませんが、本体背面は「なんか温かいな?」と思えるくらいの温度になります。おおよそ40度くらいでしょうか。
顕著なのがACアダプター部で、こちらは手で持てないほどに熱くなります。
PS4の表面で肉が焼けるなんて動画を見たことがありますが、こちらも焼ける気がします。
熱くなってきたら保冷剤や冷たい環境で冷やすなりの工夫が必要かもしれません。
Fnキーを使おうとすると誤操作する
再読み込みするF5キー、一気にカタカナに変換するF7キー等、普段からファンクショナルキーを使う方は画面タッチによる誤操作に注意が必要です。
ファンクショナルキー自体画面のすぐ近くなので、「入力し切れていないのに送信してしまった」とか「長文打ってたのに違うページにアクセスしちゃって文章が消えた」等々起こりかねません。
イヤホンジャックの位置が微妙
他ノートパソコンの場合はキーボード側にイヤホンジャックが付く事が多いですが、こちらは画面左上部にあります。
イヤホンを挿せばコードが横にニュッと伸びてスタイリッシュさは激減します。
なおこちらはBluetooth対応のイヤホンを使う事で対応可能ですが、動画編集や動画閲覧など少しの音声ラグが気になる用途では...といったところです。
前方に倒れやすい
先述の通りヒンジを開くことでタブレット本体を起こして配置が可能です。
構造上後方へは倒れにくいものですが、前方へはめっぽう弱くすぐに倒れてしまいます。
先述の通りイヤホンジャックが左上部に配置されている事もあって、イヤホンをしたまま身体を後方に倒すと前方にパタン。
寝転がりながら操作しているとパタンと、気になる方もいらっしゃるかもしれません。
自然とミニマルになっていくデバイスなのかも
こういった2-in-1のPCガジェット・デバイスを検討される方は各々のこだわりがあると思います。
たとえばマウスはトラックボールでなければ嫌とか、キーボードはメカニカル以外許さない、外付けHDDは必ず持ち歩くなどなど。
このデバイスは御覧の通り、汎用性のある端子はUSB3.0とSurface Connectのみ。
拡張性はほぼ皆無といっても過言ではありません。
せっかくこんなに小さいデバイスなので、USBハブを持ち運ぶことはおろか、USBメモリや別途マウスを持ち歩くことすら馬鹿らしくなってくる次第です。
付属のタイプカバーでも十分操作できるので、持ち運びはこれだけで完結しちゃいます。
なんなら極めて小さいストレージ容量ですら、DropBoxやNASのようなオンラインストレージで代用してしまえば良いかと考え始めます(笑)
何はともあれタブレット機種が安心と信頼のWindowsで起動する事は非常に強みです。
ほぼすべてのアプリ・ソフトは対応しているので、上手に使えば公式の言う「無限の可能性」を感じるデバイスであることは間違いないでしょう。
このデバイスをしばらく使っていれば、必要以外は持ち運ばないミニマルになっていきそうな印象です。
持ち運ぶ機会が多いなら検討すべき
なんだかここまで読み返してみて悪いポイントばかり挙げているような気がしないでもないですが、総括して満足しています。
シンプルなデザインとコンパクトなサイズ。
さらには驚くほどの静穏性なので、小洒落たカフェで開いてもドヤ顔できます。
リンゴマークのつよいPCを広げる方々にも負けません。
個人的な印象としては、以下の項目に該当する方ほどお勧めできます。
・Windowsユーザー
・Officeソフトをよく使う
・Macに対応していないソフト・アプリをよく使う
・普段からノートPCを持ち運ぶ
・普段からタブレット機器を持ち運ぶ
・少しでも軽いノートPC・タブレットが良い
・動作音が静かなデバイスが良い
こんなに高価である意味も、省サイズ・静穏化ゆえだと考えれば納得できるかもしれません。
しばらくは趣味と仕事のどちらもこなせるノートPCとして活躍していきそうです。
すっかり趣味方向に全振りなセッティングになりつつありますが...。
そうそう。
つい先日Surface Pro Xの発売が発表されました。
魅力的なデバイスですが、しばらくは購入者が続いて値が下がらないことが予想されます。
「別に最新じゃなくてもいいや」と考える方は、型落ちして値下がりしてきたSurface Pro 6を検討してみるのも十分アリではないでしょうか。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。