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Layers of Fearをクリアしました
いつの日かのSteamの無料期間中にDLしたホラーゲーム「Layers of Fear」をクリアしました。
某大手動画サイトの実況で知ったこのゲームですが、実際にやってみるとまた違った面白さや印象を感じられました。
考察については他ブログにお任せして、このゲームの特徴や魅力を書き綴ります。
シナリオ
ここはとある画家のお屋敷。
不気味なまでの静寂が満ちたこの館に時折カサコソと耳障りな音が響く……。夜なべして絵画制作に打ち込む画家に宛てた愛情のこもった妻の書き置き。子供部屋に所狭しと並ぶおもちゃ。
それなのに、屋敷には誰もいない。
あなたはただ一人、この屋敷に取り残されて彷徨っている……。禍々しく変化する屋敷は画家の心の投影か、それともあなたの気のせいか…。
一度入ったら戻ることが出来ない
この画家の狂気が棲まう館で、あなたが見つけるものは?
古い洋館を舞台にキーアイテムやメモを見つけながら自らの過去と対峙していく一人称視点ホラーゲームです。
ゾンビや幽霊が湧き出て戦うような派手なアクション要素は一切なく、ただひたすらに構造の変化していく館の中を歩き回ります。
キーアイテムを見つけては自らのアトリエに戻り、絵を描いていく...。
゛スクリーンショット゛レイヤーズ・オブ・フィアー
http://www.o-amuzio.co.jp/games/layersoffear/(画像引用 2018-11-04)
行動によってエンディングは分岐し、最終的に出来上がる絵が異なります。
システム
Unityエンジンによる美麗な画質と、3次元で感じる音響から臨場感が際立ちます。
゛スクリーンショット゛レイヤーズ・オブ・フィアー
http://www.o-amuzio.co.jp/games/layersoffear/(画像引用 2018-11-04)
遠くに人影が見えたり、後ろから声が聞こえたりというありがちな要素はもちろん、視点をぐるりと回すだけで部屋の構造が変わったりとFPSならではの演出にも目を見張るものがあります。
先述の通り派手なアクション要素は一切ないため、ホラーシーンに遭遇しても受け入れるしかありません(笑)
ジャパニーズホラーにありがちな背筋がゾクゾクくる怖さというより、海外ホラーのような急に驚かせてくるような要素がたくさんあります。
通常操作は左スティック移動+右スティックの視点移動。
しかしギミックへの操作は独特で、引き出しを開ける時はR2トリガーで取っ手を掴んで右スティックを手前に引く、観音開きでは取っ手を掴んで右スティックを左へ右へとリアリティのある仕様になっています。
美麗かつヌルヌルな操作性に最初は酔って仕方がありませんでしたが、プレイしていくうちに徐々に慣れてきてよかったです。
FPSゲームで酔う感覚って初めてでしたが、かなりつらいものがありますね...。
あまりに酔う方はゲームの設定から画面中央にカーソルの点を表示できる機能を利用されると良いかもしれません。
やりこみ要素
マルチエンディング化しているため、エンディング回収するために何度かプレイする必要があります。
トロコンや考察を楽しみたい方はメモを見つけたりと周回する必要がありますが、個人的には正直そこまでやりこみ要素があるとは思えませんでした。
魅力
「派手なアクションはないしそこまでのやりこみ要素はない」とバッサリ斬ってしまいましたが、それらをどうでもよくしてしまうくらいこの作品特有の雰囲気があります。
絵画を計60分眺めると解除される「芸術の目利き」という実績があるように、作中ではオリジナルあるいは有名絵画のオマージュがたくさん出てきます。
前半5分歩いただけでもこの量。
どれも美しくないですか!?
狂気的な作品背景に合致するような不気味さと美しさ。
怖い物見たさでホラーを見てしまう、いわゆるカリギュラ効果のようなものをビンビン感じます(笑)
有名絵画関連のものをいくつか抜粋してみました。
レンブラント「鷲に捕らわれのガニュメデス」
レオナルド・ダ・ヴィンチ「白貂を抱く貴婦人」
ヨハン・ハインリヒ・フュースリー「夢魔」(上段、右から二番目)
フアン・バン・デル・アメン「果物籠と猟鳥のある静物」?
気分はさながら絵画鑑賞です。
作中自らの操作で館内を歩きまわれるので、実際の美術館で絵画を見て回るような楽しさがあります。
その他「赤いターバンの男の肖像」、「我が子を食らうサトゥルヌス」、「民衆の前に現れたキリスト」、「民衆を導く自由の女神」らしき絵画もみかけましたが私の気が付かないだけでもっともっと有名絵画があるように思います。
私の好きなベクシンスキーの絵画も登場しないかソワソワしながらプレイしていましたが結局出ませんでした(笑)
「3回見たら死ぬ絵画」でSNS上では一躍有名になりましたね。
改めて考えれば、家具や衣類から19世紀後半のヴィクトリア時代あたりが推察されるので、ベクシンスキーは新しすぎるのかもしれません。
絵画や世界史にお詳しい方ならよりこの作品を楽しめるんだろうなぁと感じます。
ちなみにこの絵画はオリジナルらしく、Furboyと呼ぶらしいです。
とてもかわいい(錯乱)
あとがき
兼ねてより思いを馳せていたLayers of Fearをクリアしました。
作中を通して、ホラーと芸術のうまく合わさった美しいゲームでした。
派手なアクションややりこみ要素は少なくても、その独特な空気を感じに再度プレイしたくなるような魅力が詰まっています。
私がそうだったように、刺さる方にはとことん刺さるゲームです。
少しでも興味を持たれた方は是非実際にプレイしてこの雰囲気を味わっていただけたらと思います。
このLayers of Fearを開発したBloober Teamの最新作「>observer_」も独特な雰囲気を楽しめると伺ったので、機会があればやってみたいところ...!
最後までお読みいただきましてありがとうございました。