あるあぷ

ガジェットと革製品と音楽と。あなたの興味を刺激するWebメディア

あるあぷ

PICK UP!

コードバン脱皮チャレンジ「チャッカブーツ編」

(この記事は約7分でお読みいただけます。)

 

 

f:id:SATA_0326:20181028112256j:image

改めてメラミンスポンジでコードバン脱皮に挑戦。

 

少し前の記事にてヒール補修したALDENのチャッカブーツ。

sata-0326.hatenablog.com

ヒールは新品同様の美しさを取り戻しましたが、やはりどうしても気になるのがアッパーの履きシワと毛羽立ちの部分です。

f:id:SATA_0326:20181024023039j:plain

コードバン特有の光沢感が薄れてしまっています。

f:id:SATA_0326:20181118040227j:plain

革の中でも特にコードバンは水分に弱く、湿気を吸うだけでも毛羽立ちが生じます。
これがアッパーに凹凸として現れ、光が反射しなくなって光沢感が薄れてしまうのです。

そんなコードバンの尊厳を取り戻すべく、今回も再びコードバン脱皮に挑戦してみました。

 

 

 

 

 

 

 

 

失敗に学ぶコードバン脱皮チャレンジ

少し前の記事にてコードバン脱皮を試みました。

sata-0326.hatenablog.com
その際には初の試みでヤスリ掛けの後にメラミンスポンジを使用してみましたが、強くこすりすぎたためか表面はガサガサになってしまいました。

f:id:SATA_0326:20181007091643j:plain

酷い有様です(笑)

アビースティックやブラシがけでも改善せず、再度ヤスリがけとケアの末なんとかここまで戻しました。

f:id:SATA_0326:20181007102456j:plain

結果論ですが美しくなって良かった...。

今回はこの失敗を踏まえメラミンスポンジ→ヤスリ掛けの順番で削っていき、メラミンスポンジは優しく擦っていきます。

 

 

 

状態確認

コードバン脱皮を試みる前にいつものように状態を確認していきましょう。

今回の対象は、Aldenのチャッカブーツ、コードバン仕様です。
1ヶ月ほど前にミスターミニットへ依頼し、ヒール交換とともに磨きも行ってもらいました。

f:id:SATA_0326:20181118021526j:plain

f:id:SATA_0326:20181118023510j:plain

f:id:SATA_0326:20181118021541j:plain

幾分か改善されたものの、やはりコードバン特有の毛羽立ちが見られ光沢感は薄れてしまっています。

f:id:SATA_0326:20181118021555j:plain

俯瞰からは履きシワが目立ちます。

現状からどれほどの改善が認められるでしょうか。
早速コードバン脱皮とケアを始めていきましょう。

 

 

 

 

 

コードバンにヤスリをかける

1.汚れを落としと毛羽立ちケア

まずは前準備。
ブラシがけでホコリを落とし、リムーバーで汚れと古いクリームを除去します。

今回はM.MOWBRAY製のステインリムーバーを選択。

f:id:SATA_0326:20180818195856j:plain
ステインリムーバーはネル生地にごく微量付けて、コードバン表面を軽く擦るだけでも十分に汚れは落ちます。

時々ご質問いただきますが、ネル生地は白ネルを使用しています。

f:id:SATA_0326:20180217110617j:plain

厚手で目が細かく柔らかいので、リムーバーでの汚れ落としはもちろん鏡面磨きにも最適です。
Amazonの評価も靴磨きの方々で埋め尽くされています(笑)

 

リムーバーを極少量付け、アッパーを軽く擦ります。

f:id:SATA_0326:20181118024607j:plain

f:id:SATA_0326:20181118030908j:plain

ニュートラルな状態になりました。

f:id:SATA_0326:20181118040227j:plain

クローズアップレンズで見てみるとこんなにも毛羽立ちがあることが分かります。

 

次にアビースティック(レザースティック)あるいは固い物をコードバンに押し当て、可能な範囲で毛羽立ちを抑えていきます。

f:id:SATA_0326:20181118040820j:plain

アビースティックは非常に高価なので、固くて丸ければなんでも代用できます。
おススメはアビースティックと同じ素材のかっさ棒です。

f:id:SATA_0326:20181118041913j:plain

こちらもAmazonレビューでは本来の用途ではなく、コードバンの手入れに使用される方が多いようです(笑)

 

 

2.メラミンスポンジがけ

前置きが長くなりましたがここから凹凸を削る作業です。

まずはメラミンスポンジから。

f:id:SATA_0326:20181118044112j:plain

前回の失敗を踏まえ、鬼手仏心どころか仏手仏心で擦っていきます...!

f:id:SATA_0326:20181118043304j:plain

あっという間に粉まみれになりました。
軽く擦ったおかげか、失敗した時よりも全体的に光沢感が残っている気がします。

次にスポンジの粉を落とすとともにブラッシングをしていきます。

手が痛くなるほどにブラッシングをするとこのようになりました。

f:id:SATA_0326:20181118045548j:plain

あれ!前回よりも良いぞ...!?

クリームも何も付けていないのにこの状態。
間違いなく最初の状態よりも是正されています。

やはり前回は強く擦りすぎだったようです。

 

 

3.ヤスリがけ

目の粗いヤスリも用意していましたが、メラミンスポンジが想像以上にうまくいったので細かいもので整えていきます。

まずは2000番。
毛羽立つ部分を中心にしつつも、ムラにならないように万遍なくヤスリ掛けしていきます。

f:id:SATA_0326:20181118050724j:plain

続いて3000番で終了。

f:id:SATA_0326:20181118050941j:plain

より鮮明に光を反射しているのが分かります。

俯瞰から見てもこの通りです。

f:id:SATA_0326:20181118051300j:plain

非常に美しい!
コードバン脱皮をやっていてよかったと思えるタイミングです。

 

 

 

一般的なケアをする

1.デリケートクリームで潤いを与える

ここからは通常通りの一般的なケアを行っていきます。
クリームは水分量の多く染み込みやすいものから順に塗布していきます。

まずはデリケートクリームから。

f:id:SATA_0326:20181118052200j:plain

クリームを米粒大ほど取り、ブラシで万遍なく広げていきます。

履き皺部分は乾燥しやすいので少しだけ多めに塗布しました。

f:id:SATA_0326:20181118052328j:plain

コードバンがふっくらしたのが分かります。

 

 

2.靴クリームで光沢感を与える

次に靴クリームを塗布していきます。

光沢感を出したいだけならニュートラルカラーで良いといわれていますが、捕色効果も欲しかったのでそのまま黒色のクリームを選択しました。

こちらも米粒大をブラシで万遍なく広げ、不要なクリームをネル生地でふき取ります。

f:id:SATA_0326:20181118052639j:plain

ちなみに黒色以外の革色の場合、一般的には靴色よりも1トーンほど明るい色を選択するのが正しいようです。

 

3.シュプリームクリームでさらなる光沢を付与する

今回は新たな試みとしてシュプリームクリームを塗布していきます。

なんでもコードバンユーザーの中で非常に人気があり、靴用ワックスを使いたくないけど光沢が欲しい派の方々から圧倒的な支持を受けているとの事。

普段の私ならワックスを付けてしまうところですがこちらを試していきます。 

f:id:SATA_0326:20181118054328j:plain

こちらも米粒大をブラシで広げ、不要なクリームを拭き取りました。

いかがでしょうか。

f:id:SATA_0326:20181118054306j:plain

始めてコードバンにシュプリームクリームを使ってみましたがこれは良いですね。

靴クリームの時よりもさらに洗練されたように見えます。

 

靴紐をつければ全行程終了です。
お疲れ様でした。

f:id:SATA_0326:20181118055738j:plain

 

 

 

 

コードバン脱皮とケア後の比較

例のごとく前後で比較してみました。

【ビフォー】

f:id:SATA_0326:20181118021526j:plain

【アフター】

f:id:SATA_0326:20181118060426j:plain

写真の色調は弄っていませんが、全体的に黒色が深くなったように見えます。

 

【ビフォー】

f:id:SATA_0326:20181118030908j:plain

【アフター】

f:id:SATA_0326:20181118060702j:plain

もっとも変化したのは俯瞰ではないでしょうか。
アッパーのシワや毛羽立ちは是正され光沢感が強くなりました。

 

【ビフォー】

f:id:SATA_0326:20181118040227j:plain

【アフター】

f:id:SATA_0326:20181118060510j:plain

コードバン表面です。
毛羽立ち部分のザラつきが幾分か解消されているのがわかります。

 

【ビフォー】

f:id:SATA_0326:20181118021541j:plain

【アフター】

f:id:SATA_0326:20181118061215j:plain

 

【ビフォー】

f:id:SATA_0326:20181118023510j:plain

【アフター】

f:id:SATA_0326:20181118061232j:plain

左右も綺麗になりました。
コードバンの尊厳は取り戻せたのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

あとがき

今回は再度メラミンスポンジを用いてコードバン脱皮チャレンジを行ってみました。

やはりメラミンスポンジは軽めに擦るのがコツのようです。
以前の失敗が嘘のように思えるくらい簡単かつ短時間でコードバンの尊厳を取り戻す事が出来たように思います。

これでまた心おきなく履いて出かけられます!

f:id:SATA_0326:20181028112256j:plain

f:id:SATA_0326:20181118062519j:image

シーズンオフの冬まで間もないですけどね(笑)

 

用意するものはメラミンスポンジとヤスリだけですし、コードバンの曇りが取れない方は最終手段として挑戦してみてはいかがでしょうか。
もちろん自己責任でお願いします。

 

 

最後までお読みいただきましてありがとうございました。